インテリアのノウハウ

木材とカビについて

今回は木材とカビについてのお話です。

私たちの身の回りにはカビが生えやすい場所やものがあります。

カビが生えやすい場所
 ・キッチン、トイレ、浴室等の水を使う場所
 ・押し入れや家具・家電の裏のように暗くて湿っている場所。
 ・結露しやすい窓回りや壁の裏側

カビが生えやすい食品
 ・ミカンやリンゴ等
 ・パンや餅、まんじゅう等
 ・ジュースの残り

木にもカビが生えます。表面に生えるだけでなく、内側に生えて緑っぽい木材になることもあります。

さてこれはミカンや木がカビの菌を持っているという事でしょうか?
その答えは「いいえ」です。カビ菌(胞子)は人間の生活空間のどこにでもいます。
ということは見えないけれど皆さんも常にカビの菌に接しているという事です。

カビが見えるように大きくなるのは着床して成長するということです。
そのためにはいくつかの条件があります。

1:温度
  ・20~35℃がカビが発生しやすい温度です。25℃くらいが適温ですので、人が生活する環境に
   近いと言えます。
  ・反対に熱には弱く40~50℃以上で死滅すると言われています。

2:水分
  ・空気中の湿度でいうと60%以上で活動し始めます。
  ・木材で言うと『含水率』という概念があります。
   これは簡単に言うと木材の中に含まれる水の質量を水分を含んだ木の重量で割ったものです。
   この含水率が20~25%以上になると木にカビが生えやすくなります。

3:栄養
  ・ミカンやパンが栄養に富んでるのは分かりますが、木材にも栄養があります。
   特に木の皮に近い部分は辺材と呼び、成長を続けている栄養のある部分です。
   (逆に中心部分は芯材と呼び、既に成長が止まった部分で栄養はありません)
  ・それでは金属やプラスチックにカビは生えないのでしょうか?
   金属のような無機物をカビが分解することはありませんが、表面についた汚れやほこりを分解
   することがあるためカビが生えるように見えることはあります。
   プラスチックの場合も同じですが、接着剤や塗料を分解した入り、一部のプラスチックを分解
   できるカビもいるようです。

以上を踏まえて、カビが生えない家具や造作をどのように作るか考えてみましょう。

1.温度対策
  ・20~35℃の環境で使わないようにするのは無理でしょう。
   よって温度の対策は立てられません。
  ・ただし、カビが生えた製品のカビを除去するために木材乾燥機にかけることは有効です。
   中温乾燥機では50~60℃程度の温度で乾燥するため、ほとんどのカビは死滅します。

2.水分
  ・こちらも湿度60%を常に超えないようにするのは難しいかも知れません。
   ただし、できるだけ空気がこもらないようにするという事はできると思います。
   風通しを良くしたり除湿器を動かすということである程度対応できます。
   壁の中となると結露しないように断熱に気を付けるということになるでしょうか。
  ・ただし、木材のカビ対策としては『含水率の管理』が一番重要です。
   上記の通り含水率が20~25%以上になるとカビが発生しやすくなります。
   まずは木材をしっかり乾燥させることが重要です。
   木材の含水率は一般的な環境に放置しておくと、自然に乾燥してある数字に近づいてきます。
   これを平衡含水率と呼びます。
   平衡含水率は日本国内では季節や地域によって少々変わってきますが、平均すると15%程度
   と言われています。つまり長く使っている木材には特別なことをしなければカビが生えない
   ということです。(絶対ではありませんが)
   通常は木材を製材した後、建材で15%程度、家具で10%以下になるように人工乾燥機で乾燥
   させます。
   これはカビが生えないようにというよりは、乾燥時に反ったり割れたりすることを防ぐ意図
   です。
   とにかくしっかり乾燥されたものであればそのままでカビが生えることはありません。
   造作家具を製作する場合は、含水率をきちんと落とすように指示をしましょう。
   ※特に伐採から日が経っていないものを使用する場合は要注意です。

3.栄養
  ・木材には栄養があると書きました。これを遮断するために塗料を塗るのも一つの手です。
   ウレタン塗装をしたものであれば、栄養と水分をカットできますのでカビの防御になります。
   (プラスチックでも100%ではないのかも知れませんが)
   水性塗料やオイルでもある程度の水分はカットできるかもしれませんがウレタンの方が
   安全ではあります。
  ・それから板材のミミを残したものを使う場合は要注意です。ミミは辺材になるため栄養が
   高いと考えられます。

他にカビ防止剤を塗るという方法があります。
これが一番手っ取り早いかも知れませんが、換気には十分ご注意ください。

ただし、どんなにきちんと商品を作ったとしても、ごみやほこりで汚してしまうとそこからカビが発生することもありますのでご注意ください。