木部塗装の種類
塗装一覧
家具を含む木部に使用する塗装はたくさんあります。
以下にその種類を示します。
分類 | 塗料名 | 塗料主要素 | 備考 |
天然樹脂塗料 | 漆 | 漆 | |
セラックニス | セラック | ||
カシュー樹脂塗料 | カシューナットシェルオイル | ||
繊維素塗料 | (ニトロセルロース)ラッカー | 硝化綿、アルキド樹脂 | LC |
アクリルラッカー | アクリル樹脂、硝化綿 | ||
油性塗料 | オイルフィニッシュ用塗料 | アマニ油、ボイル油、合成樹脂 | OS |
油性ワニス | 乾性油、天然樹脂 | OC | |
油性調合ペイント(ペンキ) | ボイル油、着色顔料 | OP | |
合成樹脂調合ペイント | ボイル油、合成樹脂、着色顔料 | SOP | |
合成樹脂塗料 | フタル酸樹脂塗料 | フタル酸樹脂 | FC |
酸硬化型アミノアルキド樹脂塗料 | アミノ樹脂、アルキド樹脂 | ||
ポリエステル樹脂塗料 | ポリエステル樹脂 | ||
UV硬化型塗料 | ウレタンアクリート 不飽和ポリエステル樹脂 | ||
2液型ポリウレタン樹脂塗料 | ポリウレタン樹脂 | UC | |
湿気硬化型ポリウレタン樹脂塗料 | ポリウレタン樹脂 | ||
油変性ポリウレタン樹脂塗料 | ポリウレタン樹脂 | UC | |
木製保護着色剤 | 乾性油、着色顔料 |
家具に使用されることもあるがあまり一般的ではない塗装
漆:漆は和箪笥に使用されますが、テーブルやイスにも拭きうるし(擦りうるし)という形で塗られることがあります。これはオイルフィニッシュに近いイメージです。ただし高価なのであまり一般的ではありません。
ラッカー:輸入家具に使用されていることがあります。VOC基準の厳しい国内で作られる家具には使用されていません。
ポリエステル樹脂塗料:いわゆるピアノ塗装のこと。摩擦に強く高度も高い。ただし、木目等は一切見えなくなります。
UV硬化型塗料:摩擦に強く高度も高い塗装。ポリエステル樹脂と違いクリアで木目も見えます。ただし高価なのが欠点です。
アンダイで使用されている塗装
一般的な家具に使用される塗料はポリウレタン樹脂塗料とオイルフィニッシュ用塗料です。
アンダイで扱う家具はほとんどがオイルフィニッシュとなっています。また、一部針葉樹の家具にウレタン仕上げがあります。
そして宮崎椅子製作所さんのイスは基本的に蜜蝋ワックス仕上げです。
仕上げ | 具体的な商品 | 長所 | 短所 |
オイル仕上げ | リボス、オスモ、バトン等 | ・木の素材感が感じられる ・自分でメンテナンスが可能 | ・木材保護効果は強くない ・メンテナンスが必要 |
蜜蝋ワックス仕上げ | 未晒し蜜蝋ワックス | ・オイル以上に自然な仕上がり ・自分でメンテナンスが可能 | ・木材保護効果は強くない ・メンテナンスが必要 |
ウレタン仕上げ | ・メンテナンスフリー ・木が変化しない | ・プラスチックのような仕上がり ・塗り替えは工場で行う |
アンダイではお客さまに必要に応じて木部をお手入れすることをお勧めしています。
その方法につきましては別途レクチャーさせて頂きます。
なお、下記に塗膜の断面構造を表示致します。

最近のデザイナーや建築士は一般家庭向けにはオイル仕上げを、公共施設やオフィスにはウレタン仕上げのオープンもしくはセミオープンを提案することが多いでしょう。
この記事を書いた人【インテリアプランナー/二級建築士:鹿野勝則】