AF008家具事例/I様邸
商品:マンションノゲンカンニオク10㎝ラック(修理) 場所:東京 時期:2022年
【マンションノゲンカンニオク10cmラック】とはアンダイ代表がデザインした収納棚で、2005年に行われたIPECのデザイナーズショーケースに出展し優秀賞をいただきました。
そもそもIPECってなんだろうと思われるかも知れませんが、『INTERIOR PRO EX CO』の略で日本インテリアプランナー協会(JIPA)が主催するインテリアのプロのためのエキシビジョンという意味のようです。
このときは東京ビッグサイトで開催されましたが、このイベントが現在も継続されているかは不明です。
この商品は奥行きの薄い棚に扉が付いたもので、マンションの玄関のような狭いところにおいても邪魔になりません。加えて扉部分がデザインされているためアート的な役割も果たします。
様々な種類の突板を使用したバージョンと日本の伝統工芸(和紙、漆器、鉄器等)を使用したバージョンがありました。
商品はカギロイのショップに展示していたのですが、お客さまが購入されたのは2006年となります。
突板と伝統工芸バージョンの両方を購入いただいたのですが、15年以上たって和紙はやぶれ藍染の手ぬぐいは色あせてしまいました。
カギロイはなくなってしまったのですが、当時の親会社に問い合わせがあり私が修理を対応することになりました。
1.納品時の写真
2.和紙がやぶれた写真
3.修理後の写真
手ぬぐいは宮城の正藍染めから徳島の阿波藍へと交換しました。
和紙は越前・美濃・土佐の手すきを使用していたのですが、同じ風合いを持ったワーロンシート(日本の伝統工芸)に交換しました。やぶけることはないのでこれから10年も20年も使用していただけると思います。
ちなみに、真ん中は南部鉄器の扉です。小笠原陸兆さんに作って頂いたのですが、小笠原さんは2012年にお亡くなりになったので同じものは2度と作れません。
しかし、まさか16年前の商品を修理するとは思わなかったので少々感慨深いものがあります。
最近はN社さんやI社さんのような安価な家具が売れていますが、国産の作りがしっかりしたものであれば長く使えると感じていただけると幸いです。
※写真をご提供いただいたI様に感謝いたします。