学童机ネタ
23、24話の絡みでもう一つ情報提供です。
ドラマの中で『このような仕事は東京の大手家具メーカーが結局は受注してしまう・・・』というような内容の会話がありました。
しかし、東京の大手家具メーカーにいた自分としては果たしてそうなのだろうか?と考えてしまいます。
しかも正に、このような国産材を手配する立場でした。
まあ、大手家具メーカーでは木材も作っていないし、無垢材を加工する工場を自社で持っているところはありません。結局、地元の森林組合や製材所とタッグを組んで自社の金属脚を提供することになります。
大手の中でもAクラスのメーカーは脚だけ他社に提供することはありません。木部を含めて商品の品質を追及されるからです。責任をもって仕入れて、品質も厳しく追及するため価格が高くなります。その結果、入札で負けます。
よって当時私はこのような学童机の案件を受注したことはありませんでした。
大手でもBクラスのメーカーと地域の業者が組むか、業者が脚のパーツを仕入れてアセンブルすることによりでギリギリの品質で納品しないとおそらく入札に勝てません。
自治体としても地元の業者に受注してもらった方が良いだろうとは思います。
ただ、無垢材の商品は通常の学童机のような、合板とかMDFにメラミンを貼ったものとは全く質が違います。
傷が付いたり反ったり割れたりする可能性も十分にあります。
行政の担当者や地元の文具店の担当者はおそらく、無垢の天板にも合板やメラミンの品質を求めることが多いと思います。品質を落としてよいとは言いませんが、無垢材の特質はある程度理解して頂けないと結局それが価格や納期に跳ね返ってきてしまいますので是非ご検討下さい。
ちなみに登米の木を使ったkitakamiシリーズの整形合板ワークチェアでは、わざと虫食いや節を残したイスを販売する予定です。その方が環境に良いという事と何よりかっこよいからです。