インテリアのノウハウ

宮城県産材補助金

私は以前企業で国産材家具販売の責任者をしていましたが、この業界では国産材の家具は売れないと考える人が多数でしょう。
その理由の一つは現在流通している国産材の主流が「スギ、ヒノキ、マツ」という針葉樹であり、強度や表面硬度の問題で家具にしづらいからです。また、広葉樹も一部ありますが量が少なく高価です。
針葉樹の場合、家具にしても木目や色彩の関係で和風味が強くおしゃれに見えないという理由もあります。
また、もう一つの原因はせっかく国産材を活用しても一般的なスチールや樹脂の家具と比較して高価になってしまうことです。
例えば、スチールと化粧板を組み合わせたオフィス家具のテーブルやカウンターをスチールの骨組みを生かして国産材の天板や幕板を活用しようとすると、既製品の3倍程度の価格になります。
地元の木材を活用しようとする自治体は多いのですが、この価格では厳しいという判断をすることが多々あります。
これが家庭向けの家具になると、外材を使用し中国や東南アジアで作った方が半分以下の価格になるためこちらも国産材家具の販売は厳しい状況と思われます。
国産のスギを使った家具としては飛騨産業さんのKISARAGIや天童木工さんのF-3250SG等があり、どちらも良いものだと思いますがおそらく高価で売れていないでしょう。ワイスワイスさんのKURIKOMAも価格がかなり高くなりました。小イスで10万円という価格はなかなかハードルが高いと考えます。

一般の方にとって「地元のために」とか「環境に良いから」というインセンティブだけでは、なかなか購入しようという気持ちにはならないでしょう。

さて、そのような中で積極的に地元材の家具を導入しようと思ったとき、補助金を使うというのも一つの手段になります。
一般的には国や地方自治体の庁舎には利用できないと思いますが、個人や民間の建築/内装/家具に使用できるものがあります。
kitakamiの地元である宮城県にはインターネットで調べると以下のような県産材活用の補助金があるようです。 →宮城県のサイトにリンク

①宮城県CLT普及促進事業
②県産材利用サステナブル住宅普及促進事業(住宅支援)
③県産材利用サステナブル住宅普及促進事業(リフォーム支援)
④みやぎ型木質バイオマススマートタウン構築事業
⑤みんなで広げる「木育」推進事業
⑥「Wood・もっと・みやぎ」県産材需要創出事業

上記について具体的な話をお伺いに宮城県水産林業部林業振興課みやぎ材流通推進班のご担当者を尋ねました。

①と③に関しては建築に関わるもので家具に対する補助はないとのことです。
④に関してはバイオマスを活用する地域協議会や民間業者に対するもので家具とは関係ありません。
⑥に関しては家具も対象なのですが、すでに締切りが過ぎており今後の継続予定もないとのことでした。

結果として家具に使用できるものは②と⑤になります。

②は一般家庭向けの補助金です。
新築住宅の構造材・内装材を中心に家具等の配備品まで対象になります。
建築は上限50万円、内装材/木製品は上限30万円です。
ただしあくまでも新築住宅で県産材を50%以上使用した場合に、内装材や木製品も対象になるということなので、おまけのようなものです。
新築住宅で県産材の使用を考えられている工務店やお客さまがいらっしゃいましたらお声がけください。

⑤は法人向けとなります。
こちらに関しては、建築でも木製品(家具)でも対象になります。
金額も上限500万円と大きいです。
ただし、申請期間が年度頭の4月~5月なのでタイミングが難しいですね。
公共施設や来客の窓口のあるオフィス等、不特定多数の来客がありそうな施設を計画されている設計事務所やお客さまがいらっしゃいましたら是非お声がけください。
アンダイが申請のお手伝いをします。

※2022年11月現在、上限300万円ですが追加募集中です。こちらをご覧ください。