小笠原鋳造所
岩手県水沢市にあった南部鉄器の鋳造所です。
”あった”というのは、作家である小笠原陸兆さんが2012年に亡くなってから鋳造所での製作はしていないからです。
代わりに周辺の工場が今でも小笠原さんがデザインされた鉄器を作っています。
以前経営していたカギロイのお店で初めて小笠原さんの鉄器を扱ったとき、既にご本人は70歳を超えるお年でしたが、そのシンプルなデザインの若々しさに驚いたものです。
また、私がお願いした(あまり売れない)収納の扉をいくつか作って頂いたり、水沢伺ったときは及源さん含めいくつかの工場をご案内して頂いたり、陸兆さんにはたいへんお世話になりました。
南部鉄器を鉄分不足を補うアイテムとしてだけではなく、デザインされた道具として是非お店でご覧になって頂ければと思います。一般的な南部鉄器と比較しても値ごろ感は十分にあると思います。
写真は2005年に私がデザインし、IPECという展示会で優秀賞を頂いた『マンションノゲンカンニオク10センチラック』という作品です。
日経デザインでも記事にして頂きました。
上から4段目、右から2列目が南部鉄器の扉です。今になって考えると、我ながらよく鉄の鋳物で扉を作っていただけなと感心しきりです。
小笠原陸兆さんのご冥福をお祈りいたします。